夢と知りせば醒めざらましを

楽しいこと全部、私のもの

オタバレした(可能性が高い)からバイトやめたい

私はジャニオタであることを同じジャニオタ以外の人には隠してる。単純に恥ずかしいというのと、弱みを握られた気分になるのが嫌だというのと、バラしたところでメリットがない、などいろんな理由がある。他人からすると私は話し方、雰囲気、何をとっても冷血女に見えると思う。そんなやつが1アイドルの熱狂的なファンだとか知らされたら私だったら引く。凄まじく引く。だから私は自分のパブリックイメージ(大袈裟)を守るためにもジャニオタであることを隠し通さなければならない。V6のファンだということも私がオタを隠したがる所以になっている。関ジャニとか嵐のファンだったらまだ言えてたかもしれない。けれどこのご時世にV6のファンである。自分で言ってて悲しくなるけどかなり特異だと思う。このご時世にV6のファンって傍からしたらかなりのガチオタだという印象を受けると思う。実際にかなりガチなオタクだから何も言えない。ジャニーズに限らずどの界隈でもオタクという響きはそうじゃない人々にマイナスなイメージを与える。現実見えてない、付き合い悪い、気持ち悪い、痛い。私はそちら側に回ったことがないのでよくわからないけれど多分こんなふうに思われてる気がする。そんな風に思われるのはごめんだ。だから私はジャニオタであることを、V6のことしか考えてないことを、いわば本当の私を隠して普段生活している。人と接している時の大半、偽りの自分を演じている。結構辛い。いっそバラしてしまいたいと思う時もある。けれど未だにその勇気はない。V6を好きだというのには抵抗があるけれど岡田准一かっこいいというのは結構すんなり言える岡田准一をかっこいいと思ってる人なんて世の中に星の数ほどいる。私もその星の数ほどいる中の一人になりすますことができる。誰も私がオタクだとは思わない。けれど岡田准一かっこいいを言い過ぎて何度か失敗したことがある。まずは入学式の後のクラス会で好きなタイプは?という定番の話題になったとき、みんながそれぞれ内面的なことを言っていく中で、私だけが、芸能人でいうなら岡田准一などと見当違いなことを言ってしまった。女子からの賛同は得たけど明らかに男子が引いてた。絶対面食いだと思われた。帰りの電車で、逆の立場になって考えてみた時、確かに男子が芸能人でいうならまゆゆとか言い出したら引くわと思った。2度目の失敗は、ある男子に芸能人だったらどんな顔が好きかと聞かれ、岡田准一と即答してしまった時。苦笑混じりにそれはずるいわと言われた。確かにと思った。ちなみにその後も私は止まらず西島さんかっこいいだの、斎藤工は目が好きじゃないなどと偉そうに語ってしまい今思い返すと死にたくなる。こんな経験から、最近では岡田准一かっこいいも自重している。というかこれ以上岡田准一かっこいいを言うといよいよオタバレしかねない。今まではたまたま深く切り込んでくる人がいなかったものの、もしどこが好きなの?などと聞かれたら理性ぶっとばして好き放題語りかねない。危なすぎる。こうして私はリスク回避のためにオタバレしそうな話題を自分から持ちかけるのはやめた、のに。なぜか最近思わぬ形でオタバレしつつある。

その1 声がでかい友達

同じサークルにエイターがいる(最近ジャス民寄り)。彼女は一時期長野担だったこともあり、私から積極的に話しかける数少ない友人(仲間)でもある。彼女との会話の約8割がジャニーズの話であり普段あまりそういう話ができない身としてはとても楽しい。彼女は私と違ってオタクであることを一切隠そうとしない。そして私が隠そうとすることを多分理解してくれていない。普段から声がでかくてうるさいとつっこまれがちな彼女だけど、興奮すると更にでかくなる。私はいつか彼女はやってくれるんじゃないかとビクビクしていた。そして先日、ついにその時が訪れた。忘れもしない5月8日、V6がMステでTimelessを披露する2時間ほど前、私は渋々サークルに出席していた。他校も含めた大会の説明会があったのでどうしても休めなかった。説明会が始まる直前、いつもより広い教室でいつもより何倍も多い人数がいる中、私は小声で隣にいる彼女に「今日MステにV6出るんだよね」と耳打ちした。彼女は『え、そうなん?!全然知らんかった(愛知訛り)』といつものごとくなかなかの声量で答えた。私が「仕方ないからワンセグで見るわ」と言うと彼女は『アハハハまじか、おもろ~』とまたなかなかの声量で笑い出した。すると前に座っていた先輩がその笑い声につられ、どした?と聞いてきた。直感的に嫌な予感がした。彼女は笑いながら『こいつ今日V6がMステ出るからワンセグで見るわとか言い出して~、』と答えた。終わった。そして相変わらず声でかいから周りもぎょっとしてる。終わった。爆笑してる彼女とは裏腹に先輩は苦笑しつつへえ~、そうなんだと答えた。私はその間多分顔がひきつっていたと思う。今すぐに彼女の口をガムテープでぐるぐる巻きにしてしまいたいと思った。しかし彼女は止まらなかった。『○○さん(先輩)はジャニーズWEST好きなんですよ~』と、先程の先輩の隣に座っていた先輩を指さして言った。急に名指しされた先輩は顔を赤くして困惑していた。明らかにバラされたくなかった反応だった。そこで彼女はようやく気づいたのか『えっ?!あ、すみません!』と必死に謝っていたけどもう遅い。周辺の人全員に聞かれている。先輩、私のせいで飛び火してしまってごめんなさい。そう心の中で謝りながら私は彼女に「口が災いすぎだろ」という意味不明なつっこみをした。

その2 ガヤ担のパートさん

バイト先にガヤ担のパートさんがいる。年齢的には坂本くんよりちょっと上くらいだと思う。私は例のごとく、バイト仲間の中で唯一彼女にだけはV6が好きだということを明かしている。たまに二人だけになるとジャニーズの話ばかりしている。この前の月曜日もそうだった。たまたま入り時間が同じだったので始業前に事務室で前日パートさんが観てきたガヤ主演の舞台『TAKE FIVE』について話を聞いていた。聞いてるこっちまで笑顔になるくらい幸せそうだった。ガヤといえばこないだ私が買ったCOLORSに載ってたなあと思い、切り抜きいります?と聞いたら欲しい!と即答された。代わりにV6持ってくるねと約束を交わしてそれぞれ持ち場についた。そして今日、月曜日ぶりにバイトへ行くと、私の荷物置きのとこに見慣れないクリアファイルが置かれていた。なんだこれ、と思って中を覗くとTV LIFEその他の切り抜きだった。すぐにカバンにしまった。渡され方があまりに予想外だった。今日も彼女とシフトがかぶっていたのでてっきり手渡しされると思っていた。まさかあんな大胆な置かれ方するとは…。誰かに見られたかも。一瞬でその思考にたどり着いた。彼女は平日は毎日シフトを入れられている。ということは私が来なかった火曜、水曜のどちらかのタイミングで私の荷物置きにクリアファイルを置いたはずだ。もし火曜だったら2人の先輩と2人の同期に、水曜だったら2人の同期に見られたかもしれない。見られたかも、とは言ってもちゃんとファイルは柄付きで中身が透けないようになってるし、先輩も同期もみな誠実な人ばかりなので人の持ち物を勝手に漁らないはずだと信じたい。けれどもし私が先輩や同期の立場だったら、絶対見る。人目を盗んでチラ見する。もし同じことを先輩や同期がやっていたら、と思うとぞっとする。知らないところで笑い者にされていたかもしれない。死にたい。100歩譲って先輩に見られるのはまだいい。けれど同期に見られていたとしたらこの先も長い付き合いになるはずなのでやりづらくてしょうがない。多分見ていたとしても彼らは私に「V6好きなの?」などと聞いてくることはないと思う。けれど心の中でこいつ、V6好きなのかと思われながら接されると思うと消えてしまいたくなる。なんでパートさんはこんな手段をとったのだろう。私が彼女が休みを取ってまでTAKE FIVEを観に行ったことを先輩にバラしたからだろうか、彼女がオタだということをバラしたからだろうか(最低)。もし誰かしらにバレているのならもう開き直ってしまおうと思う。もはや私のイメージとかどうでもいい。いつかはバレると思ってたしバラさなきゃとも思っていた。もしこれから申し込むコンサートが全て当たったとしたら、いつかは必ずシフトを誰かに代わってもらわなければならない。その際に嘘をつくのは心苦しい。オタクだとバレてしまえばそんな苦しい思いをしなくて済む。…と無理やりポジティブに捉えてみたけどやっぱり嫌なものは嫌だ。頼むから誰も中身を覗いていないでほしいと思う。切実に。私がそんな考えを巡らせているとパートさんがやってきた。「切り抜きありがとうございました。びっくりしましたよ~。」と言った。軽く嫌味を込めて。けれどパートさんはそんな私の思いに気づくはずもなく『(切り抜き)待ってるね!』と言った。くそ…かわいい。私が持ってくる切り抜きを楽しみにしてるおばさま純粋すぎかわいい…。きっと私が持ってくる切り抜きがほしいから先に持ってきてくれたんだと思う。結局そんなかわいらしい彼女を責めることができるわけもなく、今もただひたすら誰にも見られていないことを祈るばかりだ。