夢と知りせば醒めざらましを

楽しいこと全部、私のもの

残念系イケメンのすゝめ

残念系イケメン。知らない人のために一応説明しておくと、文字どおりせっかく顔がイケメンなのに性格に難があったり、変わった趣味を持っているために報われない、とにかく残念な人間を指す言葉である。私はこの言葉を僕は友達が少ない(略称、はがない)という残念系青春ラブコメアニメで知った。このアニメの主人公はイケメンにも関わらずコミュ障のため友達がいない。代表的な残念系イケメンである。私は彼を見て、まさに私が追い求めていた理想の男性像だと思った。イケメンなのに性格が残念なせいで全くモテないのである。最高かよ。こんな事を言うとただの面食いだと思われてしまいそうだが、アニメやドラマの世界にくらい夢を抱かせてほしい。本題に戻るが、そんな訳で今回、私が好きな残念系イケメンキャラを紹介しようと思ったのだが、残念ながら私はアニメをほとんど見ない。代わりにドラマならそれなりに見てるし、ふと好きなドラマキャラを思い浮かべてみたらなかなかの残念系揃いだったので私の中の残念系イケメン四天王を紹介したいと思う。結局今回もまた自己満型エントリーになってしまうがお付き合いいただけたら幸いだ。

並木航平(西島秀俊)ー『僕とスターの99日』('11、フジ) 残念度★★✩✩✩

西島秀俊×ラブコメってだけでも最高なのにその上残念系である。甥や姪に彼女がいない事を毎日のようにバカにされ、ボディガードの対象である韓流スターには「サボテン」というあだ名を付けられ利用されたり振り回されたりという残念っぷり。顔に絆創膏という見た目も残念さを加速させる。モテない割に自宅の下の店で働くおばさん(片桐はいり)には結婚をせがまれるというTHE・残念系イケメンである。西島さんは現在放送中の『流星ワゴン』('15、TBS)でも残念な父親役を演じているが個人的には残念さが物足りない。航平くらいの残念っぷりをまた見せてほしい。

谷中竜二(岡田准一)ー『タイガー&ドラゴン』('05、TBS) 残念度★★★✩✩

前にも書いたがこの時期の岡田准一超絶イケメンである。イケメンなのにファッションセンス0。イケメンなのに人の家の押し入れに住んでいる。イケメンなのに好きな女性になかなか名前を覚えてもらえない。イケメンなのにとことん笑いを追求する。イケメンなのに、、、。クドカン作品ということもあるが出てくるシーンのほとんどが残念で笑える。彼の残念っぷりは見ていて気持ちがいい程である。超絶イケメンな見た目からは想像できない言動のオンパレード。この役に岡田准一をキャスティングしたスタッフとクドカン岡田准一天晴れと言いたい。

谷口巧(長谷川博己)ー『デート~恋とはどんなものかしら~』('15、フジ) 残念度★★★★✩

ついこの間までMOZU('14、TBS)でバリバリのエリート役をやっていたと思ったら今度は高等遊民を自称するクソニー役である。ギャップ最高かよ。このドラマの放送が決まった時点でかなり期待をしていたが期待を大きく超える残念っぷりであった。この男は自分の稼ぎがない為35歳にもなって母親に小遣いをせびったり、せっかくいい感じになった女性に問題点をつきつけ泣かせてしまったりととにかく残念である。しかし母親をかなり大切に思っていたり、父親の仕事をけなされて心を痛めたりという憎めない一面も持っている。また、別れたはずの彼女に対しても「君がまたなにかやらかさないように」などと言って毎日電話してしまったりというツンデレぶりもたまらない。ハセヒロさんは家政婦のミタ』('11、日テレ)でも妻が自殺したにも関わらず浮気相手に執着する不甲斐ない父親役を演じたり、鈴木先生』('11、テレ東)でも教え子相手にエグい妄想をする先生役を演じたりと残念系キャラ俳優として確立しつつある。今後もハセヒロさんの残念系キャラに期待したい。

榊真喜男(長瀬智也)ー『マイ✩ボス マイ✩ヒーロー』('06、日テレ) 残念度★★★★★

計算が出来ないせいで巨額の取引に失敗し、ボスから27歳にして高校へ通うことを命じられる残念なヤクザ。ルックスと体力以外なにも取り柄がない残念残念アンド残念な男。超一流のヤクザであるのに高校へ行けば10歳も年下の相手に本気で馬鹿だと笑われ、ヤンキーにカツアゲされる始末である。彼の一挙手一投足全て残念であり目をそらしたくなるほどである。私が知っているドラマキャラの中で最も残念であり、この役を演じた長瀬智也日本一残念な演技が上手いと思っている。残念だけど何事にも真っ直ぐ立ち向かっていくマッキーが私は大好きだ。


上で述べた彼らにはある共通点がある。一つは残念であるということを自覚していないということ。つまり天性の残念さである。自覚していないからこそ全力で残念なのである。自覚しない限り彼らはきっと永遠に残念のスパイラルから抜け出せない。次に、残念だけど憎めないという点である。残念だから憎めないのかもしれない。普段が残念だからこそたまに見せる真面目さがより人を感動させる。最後に、イケメン扱いされていない点である。彼らはイケメンであるにも関わらず、ドラマの中ではただの残念な男として描かれている部分が大きい。つまり本来イケメンを起用する必要はないはずである。しかしイケメンがやるから残念なキャラにより磨きがかかるのである。そういう意味でイケメンという要素は残念なキャラにおいて重要な役割を果たしている。逆に言えば、ただのイケメンはつまらないしどこか近寄り難いところがある。しかしそこに残念という要素をプラスするだけで一気に親しみと愛着が湧き、時には母性本能までくすぐられる。これこそが残念系イケメンの醍醐味である。全国の、いや世界中のイケメンたちに告げたい。カッコつけるな、自然体でいてくれ、と。